Windows 10のスタンバイ自動復帰問題とは
原因はさまざまだが、何かしらの要因でスタンバイ状態が解除され、勝手に復帰する問題のことである。調べた限りではWindows 7 時代から発生していたようで、検索するといろいろと対策が出てくるが、有効だったものを備忘録がてら記載しようと思う。
スタンバイの自動復帰原因の確認方法
システムログから確認することができる。「コンピューターの管理*1 」から、「システムツール→イベントビューアー→Windows ログ→システム」とたどると、Windows のシステムログを閲覧できるので、この中からソースが「Power-Troubleshooter」 となっているものを探す。システムログの量はとても多いので、スタンバイからの復帰直後に試すか、あるいはソートやフィルタ機能を使って並べ替えたり抽出したりするとやりやすくなる。
ソース欄がPower-Troubleshooterの例 ここでこのシステムログ画面の下部に「スリープ状態の解除元」という記載がある部分が、自動復帰した原因のデバイス となる。場合によってはデバイス であったり、Windows の設定(自動アップデートなど)であったり、原因は様々。
この例ではIntel I211 Gigabit Network Connectionが原因となっている メインでGIGABYTE のX570 AORUS ELITEというマザーボード を使っているが、私の環境では上図のように搭載しているIntel のLANコントローラーが原因で自動復帰している例が圧倒的に多かった。
自動復帰しないようにする対策
電源オプション*2 から、「ディスプレイの電源を切る時間の指定→詳細な電源設定の変更」をたどると詳細な電源設定画面が出てくるので、ここでスリープ解除タイマーを無効にする。
「スリープ解除タイマーの許可」を無効に設定する
キーボード操作によるスタンバイ復帰を無効にする
デバイス マネージャー*3 から「マウスとそのほかのポインティングデバイス →使っているマウス*4 →プロパティ→電源の管理タブ」を選択。
マウスの電源管理タブ画面 「このデバイス で、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックを外すと、マウスクリックでスタンバイ復帰しなくなる。
キーボード操作によるスタンバイ復帰を無効にする
やり方は前項のマウスとほぼ同様だ。デバイス マネージャーから「キーボード→使っているキーボード*5 →プロパティ→電源の管理タブを選択。
マウスと同様に「このデバイス で、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックを外すと、キー入力でスタンバイ復帰しなくなる。
LANコントローラーによるスタンバイ復帰を無効にする
やり方はマウス/キーボードと同じだが、LANコントローラーの場合はWake on LAN 機能を使えなくなる(リモートからPC起動できなくなる)ため、利便性との兼ね合いに注意が必要だ。ただLANコントローラーの場合は、(ドライバの作りにもよるが)ドライバ自体でWake on LAN の設定が可能な場合もあるので、そのやり方を紹介する。
デバイス マネージャーから「ネットワークアダプタ ー→使っているNIC →プロパティ→詳細設定タブ」を選択。
LANコントローラーにはIntel チップが搭載されている 詳細設定タブのWake on関連設定 ここでWake onにかかわる設定を軒並み「無効」に設定してやれば、Wake on LAN は無効になる。ただ戻し忘れなどもあるため、素直にマウスやキーボードと同じようにやったほうがいいのかもしれない。
Windows の自動メンテナンス機能を無効にする
Windows 10から追加された機能のようだが、Windows Update やシステム診断などを自動で実施するためにスリープ解除を行う機能が存在する。デフォルト時刻は真夜中である午前2時に設定されており、スリープ解除が許可されていると、上記と同じようにスタンバイ解除が行われるため、これを無効にする。
コントロール パネル*6 から「システムとセキュリティ→セキュリティとメンテナンス→メンテナンス設定の変更」を選択。「スケジュールされたメンテナンスによるコンピューターのスリープ解除を許可する」のチェックを外せばOKだ。
自動メンテナンスの画面
終わりに
他にもスタンバイから勝手に復帰してしまう原因は存在する。時間の都合で全部まとめることはできないためいったんここで終了にするが、機会があればまたどこかで記事にしたい。